世界的な気候危機の観測的証拠はない
2024年4月6日、ベニー・パイザー博士
オーレ・フムルム教授は、毎年恒例の地球気候の現状レビューで、長期的な気候トレンドの観点から、昨年の主要データと観測結果をレビューしている。
このレビューでは、海洋振動、海面、雪と氷の測定、暴風雨のレビューと並んで、海洋と大気の両方における幅広い温度測定をカバーしている。
フムラム教授は、2023年に世界の気温を上昇させたと思われる2つの海洋現象に注目している。
2023年の世界平均気温は、1850年以降の長い観測記録と比較すると過去最高を記録したが、これは現在も続いているエルニーニョ現象による温暖化の結果であった。
一方、前年の2021年と2022年は、太平洋の寒冷なラニーニャ現象の影響を受けた。
このように、2023年の世界の地表面気温の記録は、引き続き海洋現象の影響を大きく受けている。
フンガ・トンガ・フンガ・ハアパイ噴火が2023年の気象状況に与えた影響はまだ不明である。
2022年1月に南太平洋で発生した噴火は、成層圏に莫大な水蒸気のプルームを放出したが、この噴火が大気温度に何らかの影響を与えたかどうかについては、まだ不確かである。
フムルム教授は次のように語っている。
地球の気候システムは、太陽、惑星、大気、海洋、陸地、地質学的プロセス、生物学的生命、そしてそれらの間の複雑な相互作用を含む多面的なシステムを表している。
多くの構成要素とその相互結合は、まだ完全には理解されておらず、おそらく認識すらされていない。
大気のわずかな構成要素(CO2)が気候のほぼすべての側面を支配していると考えるのは、ナイーブであり、まったく非現実的である。
地球の気候は、数年から数百年、あるいはそれ以上の期間にわたって重要な変動を繰り返しながらも、何百万年もの間、一定の範囲内で準安定した状態を保ってきた。
現代の観測は、この正常な挙動が2023年を含む近年の特徴でもあることを示しており、地球規模の気候危機を示す観測的証拠はない。