上位10%がグローバリゼーションの主な受益者であるとの調査結果
タイラー・ダーデン 2024年5月11日
PhysOrgのリンダ・シャドラー
過去50年間の経済のグローバル化により、世界中の多くの人々の所得は大幅に増加した。しかし、この所得増加は不均等に分布している。マンハイム大学政治経済学部助教授のヴァレンティン・ラング博士と国際通貨基金のマリーナ・M・タヴァレス氏の共著者の研究によれば、特に国民所得分布の上位10%がこの発展の恩恵を受けている。
『Journal of Economic Inequality』誌に掲載されたこの研究で、研究者たちは、過去50年間のグローバリゼーションが、世界中の人々の不平等にどのような影響を与えたのか、またどのような影響を与えたのかという疑問に答えようとした。
その結果、グローバリゼーションは多くの国で所得格差の拡大をもたらしたことがわかった。特に、中国、ロシア、東欧諸国など、グローバル経済への統合が進んだ国々では、貧富の差が拡大している。同時に、グローバリゼーションは国家間の不平等を縮小させた。そのため、世界的な不平等率において、国家間の格差が果たす役割はますます小さくなっている。
「グローバリゼーションが世界の所得格差に与える影響は、予想以上に大きかった。この差が主に富裕層の利益によるもので、低所得者層はほとんど、あるいはまったく恩恵を受けていないことに、私たちは特に驚きました」。
グローバリゼーションへの懐疑の高まり
この研究はまた、グローバリゼーションの初期および中期段階では、各国の所得をかなり増加させたが、グローバリゼーションの程度が高まるにつれて、成長効果は減少することを示している。「グローバリゼーションの恩恵は統合の過程で小さくなり、分配のコストは高くなる。このことは、経済統合の進んだ国々で見られる、グローバリゼーションに対する懐疑的な見方の高まりと一致する」とラングは結論付けている。
経済のグローバル化を分析するために、著者らは新しい実証的アプローチを用いた。 過去50年間の貿易、金融の流れ、規制に関するデータを組み合わせ、各国の経済自由化措置のスピードの違いや地域的な集中度に関連付けた。