健康長寿の秘訣は “高血圧” ?
「高血圧には良い効果もあります」
そう言われたら、信じられますか?
20年以上、血圧などの科学的な基準値の研究を続けてきた東海大学名誉教授:大櫛陽一先生がその詳しい効果を解説しています。
突然ですが、このグラフをご覧ください。
2008年、慶應大学のグループが100歳を超える男女253人を調査し血圧と介護を必要としていない高齢者の関係を調べました。
結果、100歳を超える人は、右に行く、つまり血圧が高いほど他人に頼らずに食事やトイレ、着替え・入浴などができ自力で元気に暮らすことができている。
そんな傾向があることがわかりました。
注目していただきたいのは、一番自立度が高いグループの血圧。
収縮期血圧は156〜220mmHgといえば、健康診断では、間違いなく “高血圧” と判定「病院に行きなさい」と言われ血圧を下げる薬を処方される。
そんな数字です。
でも、研究結果を見ると、血圧が高いグループが一番元気なのです。
血圧が高いほど元気。この結果が出ているのは国内だけではありません。
実際、最近は欧米の研究でも、同様の結果が報告されています。
※2022年米国平均74歳の1万7286人を7•3年間追跡
なんと、収縮期血圧が160mmHgの人が一番死亡率が低いという結果が出たのです。
(JAMA Intern Med. 2022;182:142-152 Figure-1)
分かったことは、高めの血圧で死亡率が低い事だけではありません。
収縮期血圧160mmHgには、もう一つ嬉しい効果があったのです。
それが、このグラフの赤い部分。
高血圧になるごとにリスクが右肩下がりになってます。
これはあなたが将来、認知症になり、介護のお世話になるかどうかに関係します。
ただし「血圧が高ければ高いほど良いか?」と言われると、それも違います。
あくまで、「元気で生活できる血圧は今までの常識よりも少し高め」ということ。
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