歴史は勝者によって書かれる
ちなみに、この2問に出てきた画像は、Aが元々の写真で、Bが編集されたものです。
その編集をした人物は、当時写真を撮ったカメラマンではなく...
もちろん、このメルマガを書いている私でもなく...
実は、2000万人の自国民を虐殺したと言われるソ連の独裁者:スターリンです。
彼が政権を握っていた1920年〜1950年代ごろ、これらの写真は、彼の命令で改変され、
実際にプロパガンダに使用されていました。
1枚目で削除されている人物は、KGBの前身である、秘密警察「内務人民委員部」の長にも関わらず、
スターリンによって逮捕され、銃殺。そのため、あらゆる公式写真から抹消されてしまいました。
2枚目で削除されている人物は、スターリンと共に、指導者争いをしたレフ・トロツキー。
スターリンによってソ連から追放され、ソ連のスパイによって暗殺され、彼も多くの写真から消されていきました。
スターリンが指導者だった頃のソ連では、このような写真が正しいものであると、平気で宣伝され、実際に、国民の多くが、当たり前のように信じていたそうです。
つまり、当時のソ連の人々の歴史は、指導者争いを勝ち抜いたスターリンにとって、都合の良いものに書き換えられていたのです。
言い換えれば、スターリンが作った歴史がそのまま通説になった。
このように、都合の悪いものは消したり、改竄したりする...
これは、独裁国家であるソ連だからあり得たこと...そう思っていませんか?
実は、日本の歴史でも、当たり前のように行われていたのです。
代表的なのは、「自虐史観」最近では、新たな事実が明らかになり、ようやく少しずつ変わってきましたが、
連合国やGHQによって都合の良いように教え込まれてしまっています。
そして、あまり知られていませんが、日本が一気に近代化した「明治維新」でも同じことが起きていました。
これについて、ソ連の外交官養成大学を卒業し、日本だけではなく、ロシアを中心とする、世界中の公開情報をもとに、現在の国際情勢を分析し続けている、国際関係アナリストの北野幸伯先生はこう語ります。
「世の中の通説や、学校で習うような、ただ出来事をなぞるだけの歴史を学び続けていても、スターリンが国民を洗脳できてしまったように、歴史観を変えることはかなり難しいでしょう。
しかし、この偏った見方から、抜け出す方法が一つだけあります。
それは、歴史を、ただ単に教科書の通りに学ぶのではなく、意外と見過ごされてしまう、ある視点から見ることです。その考え方さえ知ってしまえば、あなたも今日から少しずつ、歴史の事実と誰かの思惑を、分けて見ることができるようになるでしょう」
P.S.
スターリン政権下のソ連。
これをモデルに描かれたと言われるジョージ・オーウェルの「1984」昨今のSNS上での言論統制などと重ね、最近でも、根強い人気を上げています。
もし、私たちが、当時のソ連の例のように、歴史を片側、つまり勝者の方向からしか見ることができなくなっていくと、段々と、統制されていった歴史や情報に、違和感を持てなくなってしまうかもしれません。
もちろん、ここまでは、言い過ぎかもしれませんが、大なり小なり、歴史上の出来事には、それを後に残した人の、何かしらの意図はあるのではないでしょうか。
ダイレクト出版・「パワーゲーム」運営事務局 より