情報あれこれ

主に海外保守系の記事を翻訳、更に登録している180以上の動画から、他メルマガからの抜粋ネタも掲載しています。

未だに20兆円規模の デフレギャップを抱える日本経済

日本の22年4-6月期のGDP統計が発表になりました。


新聞報道では、「コロナ前を回復した」などと報じられていますが、需要の規模である名目GDPは、実はコロナ前にすら戻っていません


と言いますか、「コロナ前」というのは、2019年10月の消費税増税により、日本の経済成長率がマイナス化したのですが、その時期にすら戻っていないのです。



内閣府が15日発表した4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.5%増、年率換算で2.2%増だった。 


新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置の解除で、個人消費が回復して全体を押し上げた。


設備投資も伸びた。実質GDPの実額は542.1兆円と、コロナ前の2019年10~12月期(540.8兆円)を超えた。』


現在、日本はGDPデフレータベースのインフレ率がマイナス化しています
要するに、デフレが継続しているのです。


デフレータがマイナスの場合、名目GDPが増加しなくても、実質GDPは成長しているように「計算されてしまう」のです(実質GDPは、元々、計算で算出します)。


が、多くの国民はGDP統計に関する知識がないため、日経のような報道に軽くだまされるのでしょう。


というわけで、コロナ禍が始まって以降、わたくしが重視している名目GDPの四半期・年率換算のグラフを見てみましょう。



【日本の名目GDP(四半期・年率換算 兆円)】

出典:内閣府 https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html



日本の総需要(名目GDPのこと)のピークは、2019年7-9月期(消費税増税前)の
562兆円(四半期・年率換算)でした。


その後、消費税増税により縮小が始まり、そこにコロナ禍。


20年4-6月期(最初の緊急事態宣言が出た四半期)は、511兆円という信じがたい水準に落ち込みます。


その後、「少し戻して横ばい」が続いており、22年4-6月期は545兆円。


つまりは、実績ベースで見ても、現在の日本は19年増税前と比較し、20兆円近いデフレギャップ(総需要不足)を抱えていることになります。


それにもかかわらず、さらにはGDPデフレータがマイナスというデフレ状態であるにもかかわらず、岸田内閣は、「すでにコロナ禍前を回復した。補正予算は不要。通常予算も抑制」と、緊縮財政を推進してくるでしょう。


それどころか、あれこれ理屈をつけて「増税」をしてくるに決まっています。


皆様、現在の日本は、「物価(GDPデフレータ)がマイナスになっているため、実質GDPが成長しているように見える」「名目GDP(需要の規模)は、未だにコロナ前を回復しておらず、ピークと比較すると20兆円弱の需要不足に陥っている」という真実を拡散してくださいませ。



『三橋貴明の「新」経世済民新聞』

2022年8月20日


未だに20兆円規模の

デフレギャップを抱える日本経済


From 三橋貴明 @ブログ