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「生」と「死」について考える

佐藤優さんは45歳の方の「死が怖くなりました」という相談に対してこういいます。


以下、「週刊SPA! 2022年11/22・29合併号」からの一部ご紹介します。


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死が恐ろしいのは、誰も死を経験することができないからです。


あなたは45歳ですので、通常はまだ死について思い悩む年齢ではありません。


しかし、今から80年前の日本人の男性は、20歳になれば死を意識しました。


戦争が行われ、死が日常的な問題だったからです。


ですから戦前・戦中の中学校、高等学校や大学では、悠久の大義に死んだ人の魂は
永遠に生きると教えていました。


とは言っても、そういう教育で自分の死について納得できる人はそれほど多くなか
ったと思います。


だから誰もが死について思い悩みました。
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では「死」をどのように考えたら良いのか?


佐藤優さんは『運命と摂理』に書かれていることがヒントになるといいます。



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この考え方を言い換えると、死について考えることは善く生きることを真剣に
追求することにほかならないということになります。


この世に命を得たことには、何か意味があるはずです。


ですから1回限りの人生を大切にして善く生きることを考えるというのは、
効果的なアプローチです。


もちろん善く生きることの内容については文字どおり、人それぞれです。
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興味深いのは、戦前の日本人だって「お国のために死ぬことが大事だ」と盲目的に信じて込んで思っていたわけではないということです。


「自分の命をどう使うのか?」という個人の問題として真剣に考えた20歳そこそこの若者がつい70数年前にいたのです。


富岡先生は、こう解説しています。


今日の「自由」と「民主主義」と「平和」の豊かな日本社会のなかで、少なからぬ若者たちが、いやむしろ大人たちが見失ってしまった、真剣な「人間の決断」が、ここにはあると思われる。


今、この国は大東亜戦争敗戦以来の最大の危機をむかえているからであり、その「危機」の本質をとらえるために、きわめて貴重な思索をわれわれにうながさずにはおかないからでである。



●自分の人生の残り時間をどう使うか?
●子供や孫世代に何を残すか?
●日本のために何ができるのか?



戦争と徴兵によって学びの道を理不尽にも奪われたなかで、なお生きることに価値を、そして死することの意味を問い続けた、まだ20歳前後の若き世代…


厳しい現実に直面した私たちのお父さんやおじいさんたちが悩んでくれた痕跡を手がかりに
「生きること」「死ぬこと」を考えてみませんか?




PS
特攻隊員の手紙を読んだことはありますか?


不思議と彼らの手紙からは悲壮感などは感じられませんよね、、、


どちらかというと晴れやかな気持ちで笑顔で出撃しています…


1通だけご紹介します。


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最後の便り 海軍大尉 小川清 命


父母上様


 お父さんお母さん。清も立派な特別攻撃隊員として出撃する事になりました。
思えば二十有余年の間、父母のお手の中に育ったことを考えると、感謝の念で
一杯です。全く自分程幸福な生活をすごした者は外に無いと信じ、この御恩を
君と父に返す覚悟です。
 あの悠々たる白雲の間を越えて、坦々たる気持ちで私は出撃して征きます。
生と死の何れの考えも浮びません。人は一度は死するもの、悠久の大義に生きる
光栄の日は今を残してありません。
 父母様もこの私の為に喜んで下さい。
 殊に母上様には御健康に注意なされお暮し下さる様、なお又、皆々様の御繁栄
を祈ります。清は靖國神社に居ると共に、何時も何時も父母上様の周囲で幸運を
祈りつつ暮しております。
 清は微笑んで征きます。出撃の日も、そして永遠に。


(靖國神社・昭和62年5月 社頭掲示より)
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なぜ、死ぬとわかってもなお笑顔で出撃できたのか・・・


それは、あの大変な時代に生まれたからこそたどり着けた境地があったのだと思います。


決して「お国のために」ということだけではなく個人の問題として、自分の命をどう使うかということに真剣に向き合ったのだと思います。



ライズアップジャパン事務局