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ドイツが原子力発電を維持していた場合、排出量を73%削減できた可能性がある


Jo Nova 著 2024年9月10日



ドイツは2002年にはすでに原子力発電を導入していた。もし、風力発電や太陽光発電所を建設せずに、原子力発電を維持していたならば、6970億ユーロもの補助金を支出する必要はなかっただろうし、排出量も73パーセント削減できていたはずだ。


気候パニックの現状に何かが腐っていると示す統計があるとしたら、まさにこれだ。


つまり、二酸化炭素は問題なのか、それとも問題ではないのか? 「緑の党」はまったく気にかけないのか、それとも少しは気にかけるのか?


もし「気候緊急事態」があり、「緑の党」が二酸化炭素を心配しているのなら、エネルギー転換は無謀な実験だと抗議したかもしれない。


しかし、「緑の党」が共産主義者や外国政府、あるいは銀行家や投資家の手先であるならば、彼らは他国に利益をもたらす選択肢、銀行家を助ける選択肢、あるいは単に大きな政府をより大きくする選択肢を、選び続けるかもしれない。


ドイツの「緑の党」は、彼らが掲げた目標を完全に達成できなかったのか、あるいは、彼らは本当に別の何かを目指していたのか。


ロス・ポメリーはRealClearScienceとWattsUpWithThatに寄稿している。


研究が示す、ドイツの原子力発電からの悲惨な転換
2000年初頭、ドイツは再生可能エネルギーへの移行という野心的な計画を打ち出した。「エネルギー転換」により、太陽光と風力発電の大幅な拡大が開始され、2022年までに炭素排出量を25パーセント削減するという素晴らしい成果を達成した。

2002年には、ドイツの電力の約5分の1を原子力が供給していた。それから21年後、原子力による発電はゼロとなった。素人考えでは、風力発電と太陽光発電で簡単にその差を埋められると思うかもしれないが、そう単純な話ではない。


ノルウェーのNTNUの土木工学教授であるJan Emblemsvåg氏は、野心的なドイツの再生可能エネルギープログラム「Energiewende」と原子力発電を比較した研究を発表したばかりである。


もしドイツが2002年から2022年(20年間)にわたって原子力発電に資金を使い、政策に従わなかったとしたら、排出削減と費用削減をより達成できていただろうか?


ドイツの官僚でさえも、エネルギー転換が「ドイツ経済に脅威をもたらす」ことを認めている。


ドイツ連邦会計検査院(Bundesrechnungshof)は、ドイツの政策「エネルギー転換」についてドイツ語で報告し、次のように結論づけている。

「連邦会計検査院は、エネルギー転換が現在の形ではドイツ経済に脅威をもたらし、電力消費企業や家庭の財政能力を過度に圧迫する可能性があると警告している」(連邦監査局の 引用2021a)。


風力(緑)と太陽光発電(オレンジ)による電力がドイツの送電網に大量に追加されたが、それは役に立たないどころか有害だった。



これらの結果から、ドイツがVRE(変動型再生可能エネルギー)ではなくNPP(原子力発電所)に投資していたら、名目上の支出をはるかに抑えつつ、より大幅な「脱炭素化」を実現できていたことは疑いようがない。


結論を簡単に言えば、ドイツはエネルギー転換の半分の費用で、大幅な余裕をもって気候変動目標を達成していたはずだということだ。



ドイツ人はこの実験を行ってくれたので、私たちはそれをしなくて済む


そのお金を天候神への積み木に燃やしてしまおう。



これらのコストには、企業や家庭における高額な電気料金の負担増、他の用途に費やすことができたはずのお金の機会費用、あるいは人材や頭脳、産業の他国への流出による損失は含まれていない。



新しい原子力発電所の建設は、風力や太陽光よりも依然として安価であった


この論文では、建設コストと建設期間を慎重に推定した上で、さらに多くの原子力発電所を建設した場合の別のシナリオも検証しているが、それでもドイツは3300億ユーロを節約できると結論づけている。



偶然ではないが、2024年のドイツは欧州で最も電気料金が高い国のひとつであり、企業景況感は低く、フォルクスワーゲンは87年間にわたる生産の後、同社はドイツの工場を閉鎖せざるを得ない可能性があると発表したばかりである。


1937年に創業したフォルクスワーゲンは月曜日、数10億ユーロの経費削減策を模索するなかで、ドイツ国内で前例のない工場閉鎖の可能性を排除できなくなったと発表した。


最高経営責任者のオリバー・ブルーメ氏は次のように述べた。


「経済環境はさらに厳しさを増し、新たなプレーヤーがヨーロッパに参入している。ドイツはビジネス拠点として競争力でさらに後れを取っている」と。


フォルクスワーゲンは世界中で約65万人を雇用しており、そのうち約30万人がドイツ国内で働いている。工場の閉鎖の脅威は即座に激しい反発を招いた。