オーストラリア最大のレアアース鉱山会社が中国に対抗するため米国進出を計画
タイラー・ダーデン著 2025年8月31日
Zero Hedge
オーストラリアのライナス社は、中国以外で世界最大のレアアース採掘企業として、在庫増強、生産能力拡大、ならびにマレーシアと米国の磁石メーカーへの投資を目的として、8億2500万豪ドル(5億3800万米ドル)の資金調達を計画している。フィナンシャル・タイムズ紙によれば、レアアースは兵器システムや電気自動車から医療機器や自転車に至るまで、様々な製品に不可欠な素材だ。
「我々はサプライチェーンのこの部分において、運営面、供給面、あるいは資本面での参加を実現したい」と、ライナスのアマンダ・ラカズ最高経営責任者は投資家向け電話会議で述べた。
フィナンシャル・タイムズ紙は記す、この資金調達には完全引受株式発行と既存株主向け7500万豪ドルの株式購入計画が含まれ、欧米諸国が中国のレアアース支配に対抗する動きの中で実施されたと。先月、ワシントンはMPマテリアルズへの出資を行い、現在の市場価格のほぼ2倍となる10年間の最低価格を設定した。ライナスは非中国供給網を支援する同様の措置について、米国・オーストラリア・日本政府と協議中だ。
ライナス社は既に日本の資金援助を受けて「軽」希土類元素の生産体制を構築し、最近では「重」希土類元素分野へも進出している。「ライナスは2013年に軽希土類分野で中国の独占を打破した。そして今年2025年、我々は重希土類分野でも中国の独占を打ち破った」とラカズ氏は述べた。
それでもラカズは、テキサス州で米国防総省の後援を受けるシードリフト計画について、販売契約の確保が困難なため「重大な不確実性」があると警告した。
6月30日締めの年度決算で、ライナスは売上高が20%増の5億5600万豪ドルと報告したが、純利益は前年同期の8450万豪ドルから800万豪ドルに減少した。これは生産上の問題と拡張に伴うコスト上昇を反映している。
繰り返し詳述してきた通り、先月、米国政府は重要鉱物における中国依存度低減に向けた広範な取り組みの一環として、ラスベガス拠点のレアアース企業MPマテリアルズの株式を取得した。この動きは、防衛システム、電気自動車、その他の技術に使用されるレアアースの国内サプライチェーン構築に向けたワシントンの推進力を浮き彫りにしている。
カリフォルニア州マウンテンパス鉱山を運営するMPマテリアルズは、数少ない米国生産者の一つであり、2024年に決裂したオーストラリアのライナス社との合併交渉を過去に実施していた。