8月4日、中国が弾道ミサイルを発射し、9発のうち5発は日本の排他的了解水域(EEZ)内に着弾したというニュースがありました。
外務省・国連海洋法条約と日本
・第一条では、下記の通り記載しています。
第一条 我が国が海洋法に関する国際連合条約(以下「国連海洋法条約」という。)に定めるところにより国連海洋法条約第五部に規定する沿岸国の主権的権利その他の権利を行使する水域として、排他的経済水域を設ける。
海洋法に関する国際連合条約(国連海洋法条約)に基づいて排他的経済水域(EEZ)を設けている、つまり海洋法という国際法に基づいていますということです。
・次に第三条を記します。
第三条 次に掲げる事項については、我が国の法令(罰則を含む。以下同じ。)を適用する。
一 排他的経済水域又は大陸棚における天然資源の探査、開発、保存及び管理、人工島、施設及び構築物の設置、建設、運用及び利用、海洋環境の保護及び保全並びに海洋の科学的調査
二 排他的経済水域における経済的な目的で行われる探査及び開発のための活動(前号に掲げるものを除く。)
三 大陸棚の掘削(第一号に掲げるものを除く。)
四 前三号に掲げる事項に関する排他的経済水域又は大陸棚に係る水域における我が国の公務員の職務の執行(当該職務の執行に関してこれらの水域から行われる国連海洋法条約第百十一条に定めるところによる追跡に係る職務の執行を含む。)及びこれを妨げる行為
この法律では、上記に記されている「行為をしていた場合」または「行う予定であったのに、これを妨害するようなことがあった場合」に対して、日本は罰則等が出来るというものです。
岸防衛相「強く非難」「外交ルートを通じて抗議」
林外相「外交ルートで中国に抗議」「米国ブリンケン国務長官と発射を強く非難することで一致」「地域の平和と安定のため引き続き緊密に連携」
外務省の森事務次官「非難する」「軍事訓練を即刻中止するよう求めた」
とのことですが、実に対応が甘いですね。
法律上罰則規定を適用できるにもかかわらず、これを行わないというのはどういう意図があるのでしょう?
何か深いつながりがあるのでは?
と思われても仕方ありませんね。
更に言えば、
各大臣らが上記の対応をしたことによって、中国政府は
「あ~、日本ってミサイル打っても何にもしないんだな(笑)」
と思うでしょうね。
そして今後、中国のみならず他国からもミサイルが打ち込まれる可能性が大きくなってしまったと言えます。
政治家や官僚の一言で国の命運が左右されるという一例です。
日本の22年4-6月期のGDP統計が発表になりました。
新聞報道では、「コロナ前を回復した」などと報じられていますが、需要の規模である名目GDPは、実はコロナ前にすら戻っていません。
と言いますか、「コロナ前」というのは、2019年10月の消費税増税により、日本の経済成長率がマイナス化したのですが、その時期にすら戻っていないのです。
内閣府が15日発表した4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.5%増、年率換算で2.2%増だった。
新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置の解除で、個人消費が回復して全体を押し上げた。
設備投資も伸びた。実質GDPの実額は542.1兆円と、コロナ前の2019年10~12月期(540.8兆円)を超えた。』
現在、日本はGDPデフレータベースのインフレ率がマイナス化しています。
要するに、デフレが継続しているのです。
デフレータがマイナスの場合、名目GDPが増加しなくても、実質GDPは成長しているように「計算されてしまう」のです(実質GDPは、元々、計算で算出します)。
が、多くの国民はGDP統計に関する知識がないため、日経のような報道に軽くだまされるのでしょう。
というわけで、コロナ禍が始まって以降、わたくしが重視している名目GDPの四半期・年率換算のグラフを見てみましょう。
【日本の名目GDP(四半期・年率換算 兆円)】
出典:内閣府 https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html
日本の総需要(名目GDPのこと)のピークは、2019年7-9月期(消費税増税前)の
562兆円(四半期・年率換算)でした。
その後、消費税増税により縮小が始まり、そこにコロナ禍。
20年4-6月期(最初の緊急事態宣言が出た四半期)は、511兆円という信じがたい水準に落ち込みます。
その後、「少し戻して横ばい」が続いており、22年4-6月期は545兆円。
つまりは、実績ベースで見ても、現在の日本は19年増税前と比較し、20兆円近いデフレギャップ(総需要不足)を抱えていることになります。
それにもかかわらず、さらにはGDPデフレータがマイナスというデフレ状態であるにもかかわらず、岸田内閣は、「すでにコロナ禍前を回復した。補正予算は不要。通常予算も抑制」と、緊縮財政を推進してくるでしょう。
それどころか、あれこれ理屈をつけて「増税」をしてくるに決まっています。
皆様、現在の日本は、「物価(GDPデフレータ)がマイナスになっているため、実質GDPが成長しているように見える」「名目GDP(需要の規模)は、未だにコロナ前を回復しておらず、ピークと比較すると20兆円弱の需要不足に陥っている」という真実を拡散してくださいませ。
『三橋貴明の「新」経世済民新聞』
2022年8月20日
未だに20兆円規模の
デフレギャップを抱える日本経済
From 三橋貴明 @ブログ