日本のグリーンエネルギー崩壊は、風力発電が経済的幻想であることを証明した
2025年10月8日 // キャシー・B
Natural News
・三菱商事は、コストが倍以上に膨らみ採算が取れなくなったため、国内の大型洋上風力発電プロジェクト3件を断念する。
・同社の最高経営責任者は投資回収が不可能だと表明し、数億円規模の損失につながるとした。
・この状況は世界的な傾向を反映しており、米国や欧州でもコスト高騰により大規模洋上風力プロジェクトが相次いで中止されている。
・洋上風力の真のコストは、送電網拡張や間欠性対策のためのバックアップ電源を考慮すると、報道される金額をはるかに上回る。
・こうした根本的な経済的欠陥があるにもかかわらず、日本は企業撤退を一時的な後退と位置付け、依然として積極的な洋上風力目標を追求し続けている。
グリーンエネルギー幻想がリアルタイムで崩壊しつつあり、日本の最新の惨事は世界への警告となるべきだ。
日本を代表する産業巨頭の一つである三菱商事は、採算が全く合わないことを認めた後、3つの大規模洋上風力発電プロジェクトから撤退する。この企業の撤退は、再生可能エネルギー事業が巨額の政府支援と納税者による補助金なしでは経済的に成り立たなかったという厳しい現実を露呈している。
秋田県と千葉県でのプロジェクト撤退は三菱の驚くべき方針転換だ。コンソーシアムは2021年、1キロワット時あたり8~11セントという異例の低価格で落札し、日本の再生可能エネルギーへの意欲の証と称賛された。しかし現実は厳しかった。鉄鋼・タービン・物流コストの高騰に加え、円安と金利上昇が重なり、継続は不可能となった。
現実の重圧
三菱商事の中西勝也社長は致命的な診断を下した。「あらゆる対策を徹底的に検討したが、入札時の想定と比べてコストが倍以上に膨れ上がり、投資回収すら不可能となった」と記者会見で述べた。同社は既にこれらのプロジェクトで522億円(3億5400万ドル)という巨額の減損損失を計上していた。政府による電力価格引き上げ支援の可能性があっても、経済性は崩壊していたのだ。
このパターンは世界中で繰り返されている。米国東海岸ではオーストリードがニュージャージー州の大型プロジェクト2件を中止し、数十億ドルの損失を吸収した。BPとエクイノールはコストが見積もりを40%上回ったためニューヨークでの契約を放棄した。欧州ではヴァッテンフォールがコスト40%増を理由にノーフォーク・ボレアスの計画を停止した。市場信号は洋上風力が経済的に持続不可能だと叫んでいる。
総コストの欺瞞
議論はしばしば「均等化発電原価(LCOE)」に集中するが、これは発電コストのみに狭く焦点を当てている。しかしこの指標は、総発電コストが捉える広範な経済的現実を無視している。間欠性への対応のための予備電源、送電網拡張、補助金、解体費用を含めると、洋上風力の真の価格が明らかになる。
洋上風力のLCOEは約12~16セント/kWhだが、FCOEを考慮すると20~30セント/kWhに跳ね上がる。原子力とガスは依然として大幅に低く、それぞれ約12~14セント、10~12セントである。日本はLCOEの低下を強調し続ける一方で、FCOEを軽視し、政策立案者や納税者を誤った方向に導く競争力の幻想を作り出している。
こうした失敗にもかかわらず、日本は2040年までに45ギガワットの洋上風力発電容量の達成を追求し続けている。この政策は定着し、企業の撤退を根本的な欠陥の証拠ではなく一時的な後退として扱っている。洋上風力は事実上、港湾・建設会社・商社が政府支援の恩恵を受ける新たな公共事業と化した。
世界のグリーンエネルギー推進は、真の持続可能性や手頃な価格のためではなかった。企業福祉と政治支配が目的であり、政府補助金への依存を生み出しながら不安定なエネルギーを供給する仕組みだ。日本の事例は、エネルギー政策が如何に選択的コスト報告・技術楽観主義・既得権益に流され、経済的現実を無視するかを示している。
三菱の撤退は、産業の巨人ですら欠陥のある政策枠組みを克服できないことを証明している。強力な産業基盤を持つ日本が洋上風力の実用化に苦戦するなら、全ての国が注目すべきだ。再生可能エネルギー革命は自らの経済的矛盾の重みで崩壊しつつあり、世界はもはやこの警告サインを無視する余裕はない。