グローバルデジタルIDはテスト済みであり、来週、政策立案者に披露される予定だ。
2025年10月8日、ローダ・ウィルソン
The Exposé
AlongIDは国際ソフトウェア企業Deveriumが開発した越境デジタルIDプラットフォームである。現在初期検証段階にあり、来週開催される世界最大の技術・AI展示会GITEX Globalで政策立案者や投資家向けに披露される予定だ。
AlongIDはグローバルなデジタルIDである。
Deverium(デベリウムと表記される)は、エリカ・マスラウスカイト、エドヴァルダス・マスラウスカス、ダリウス・リウビナスによって2019年に設立されたグローバルなソフトウェア開発会社である。リトアニアに登記された非公開企業であり、リトアニア、イギリス、スウェーデンにオフィスを構えている。
同社はデジタルトランスフォーメーション分野での実績で知られ、主力プロジェクトには2月にローンチした越境デジタルIDプラットフォーム「alongID」が含まれる。
「我々はデジタルIDの再構築に取り組んでいる。生体認証やKYC(顧客確認)、AML(資金洗浄対策)チェックのみに依存する時代は終わったからだ」と、共同創業者兼CTOのエドヴァルダス・マスラウスカスは述べた。
沿いIDはデビュー以来、欧州連合から200万ユーロの資金調達を確保し、英国の医療機関、欧州のネオバンク、中央銀行、リトアニア登録センターなど複数の機関とパイロット事業を開始した。
現在は初期検証段階に入り、サービス料なしでプラットフォームをテストできる環境を提供。金融コンプライアンスから医療アクセスまで複雑なユースケースに焦点を当て、ドバイで開催されるGITEX Global 2025で政策立案者、規制当局、投資家、企業リーダー向けに展示される予定だ。
「国境を越えた相互運用性、プライバシー保護、不正防止といったデジタルIDの恒久的な課題に対処するよう設計されている。また、ゼロ知識証明による選択的開示をサポートし、ユーザーが完全な身元を明かさずに年齢などの属性を証明できるようにする」とBiometric Updateは報じた。
「断片化された検証プロセスとサイロ化されたコンプライアンスチェック」という課題——つまり、個人が複数のデジタルIDを保有するためデジタル検証が失敗する問題——に対処するため、Deveriumの共同創設者兼CEOであるエリカ・マスラウスカイトは次のように述べた。「 デジタルIDを属性の集合として再構築する必要がある。政府記録、金融データ、専門資格、健康情報、言語やアクセシビリティ要件といった多様性データ、生体認証、さらには状況情報やデバイスデータまで含めるべきだ」。
つまりこれは国境を越えたデジタルIDであるだけでなく、金融取引から健康記録までを包括するデジタルIDだ。これは個人が「管理」し、権力者が生活のあらゆる側面を制御するためのグローバルデジタルIDである。
当然ながら、世界的なデジタルIDを国民が受け入れるための心理的誘導は既に始まっている。
昨日、Biometric Update誌は世界規模の調査に関する記事を掲載した。それによると、旅行客はこのデジタルIDを望んでいるという。「SITA社の新たな世界調査は、旅行者の期待の変化を明らかにしている。旅行者は、自身のデジタルライフスタイルを反映した、より迅速でスマート、かつ環境に優しい旅を求めている」と記事のリード文は述べている。さらに続く。
乗客は旅行が、お気に入りのアプリのように機能することをますます期待している。つまり直感的で、接続性が高く、摩擦のない体験だ。
デジタルIDの採用は加速している。乗客の79%が現在、スマートフォン上のデジタルIDを使用する準備が整っており、これは2024年の74%から増加した。また66%がこのサービスに対して支払う意思がある。
SITAのグローバル調査が明らかにした、乗客がデジタルIDを用いたデジタル化された旅行を望んでいる事実, Biometric Update, 2025年10月7日
少なくとも二つの要因から、前述のSITA調査のような世論調査を安易に信用すべきではない。
第一に、調査への参加者数と、その人々が特定の特性や偏見に基づいて選ばれたかどうかだ。例えば7,500人では、世界人口を代表しているとは言えない。 例えば、調査を実施する企業が、二酸化炭素「排出」から「地球を救う」ための次の抗議行動を計画している活動家グループから参加者を募った場合、回答は彼らの信念を反映し、「より環境に優しい移動手段」を求めることになるだろう。
第二に、調査の構造や質問内容自体が回答者を特定の結論へ誘導する可能性がある。例えば英国政府は調査にデルファイ法を用いている。この手法が広く普及していないと考える理由はない。
デルファイ法は1950年代にランド研究所が開発した手法で、技術が戦争に与える影響を測定するため、アンケートを通じて合意形成を図るものだ。 公共調査でこの手法を用いる場合、人々に押し付けられた見解を受け入れさせつつ、結果に発言権があったかのような錯覚を与える試みだ。視覚的手がかりや、望ましい結果へ誘導するよう調整された「選択肢」の提供に加え、この手法は社会的圧力を利用して異議や潜在的な反対意見を抑え込む。