昨年の出生数の56%のみが白人英国人だった
ノア・カール 2024年11月12日
英国の民族構成はどれほどのスピードで変化しているのだろうか?国勢調査によると、2011年から2021年の間に、白人の人口比率は86%から82%に減少し、イギリス系白人の人口比率は81%から74%に減少した。1991年の時点では、イングランドの人口の94%が白人だった。つまり、私たちがよく知っている民族の変化は、実質的にすべてわずか30年の間に起こったということだ。
しかし、これらの統計は2つの理由から全体像を示していない。
第一に、2021年の国勢調査以降、イギリスへの移民、特にインド、ナイジェリア、中国、パキスタンといった非西洋諸国からの移民が記録的なレベルで増加している。その結果、この3年間で民族変化のスピードが加速したと考えられる。第二に、各グループの年齢分布や出生率が異なれば、現在の民族構成と将来の民族構成はかなり異なってくる。白人は高齢になる傾向があるため、純粋に世代交代によって、人口に占める白人の割合はさらに低下するだろう。
出生率についてはどうだろうか?国家統計局(ONS)は民族別の出生率を公表していない。公開されているデータセットを使って推定を試みた学者もいる。例えば、2016年の論文では、南アジア人とアフロカリビアン人の出生率が白人より高いことがわかった。また、パキスタン人とバングラデシュ人を除いて、こうした差は第2世代でほぼ解消されることもわかった。しかし、この論文にはいくつかの限界があり、いずれにせよデータは2009-10年のものである。
ONSが公表しているのは、民族別の出生分布である。これは、他の影響(出生率、死亡率、移民の違いなど)がなければ、将来の国の民族構成となるため有用である。これが2023年の分布である。
おわかりのように、出生数の56%しか白人イギリス人でない。もちろん、これは全人口に占める白人イギリス人の割合(2021年には74%)よりもはるかに低い。その結果、仮に明日大量移民が終わったとしても、人口に占める白人の割合は今後数十年の間に大幅に低下することになる。
出生数に占める白人の割合がどの程度低いかは不明だが、その一部は出生率の民族差によるものであることはほぼ間違いない。もう一つは、年齢分布の民族差によるものである。白人英国人女性は高齢になる傾向があるため、出生率のピークとなる年齢、すなわち20~40歳での割合が低いのである。
大量の移民が今後も続くと仮定すると、長期的には人口に占める白人の割合は56%よりもさらに低くなるだろう。このような変化を歓迎するにせよ、好ましくないことだと考えるにせよ、それが前例のないペースで起こっていることに疑いの余地はない。この問題は、国民的議論においてもっと注目されるべき問題であることは間違いない。