サウジアラビアのスマートシティ「ザ・ライン」: アジェンダ2030と人権侵害と労働者の死に大きく関わる
ローダ・ウィルソン 2024年10月31日 記
先月公開されたドキュメンタリーは、ネオムのザ・ライン・プロジェクトの最新情報を探るものだった。 噂では、105マイルから1.5マイルに縮小されたという。また、日曜日に放映されたドキュメンタリーでは、プロジェクト開始以来わずか8年間で21,000人以上の労働者が死亡していることが明らかになった。
ラインは、サウジアラビアのネオムに建設される全長105マイル(170キロメートル)の直線的なスマートシティである。この都市は、高さ500メートル、幅200メートルの鏡張りの傑作建築として設計されている。サウジ・ビジョン2030の一環として開始されたこのプロジェクトは、サウジを世界的な観光ハブに変えることを目指している。
サウジアラビア・ラインは、すべての交通システムが単一の効率的なネットワークに統合された、車のない都市として設計されている。この都市は、太陽光発電、風力発電、水素を利用した発電など、再生可能なエネルギー源だけで運営される。そして、人工知能(「AI」)によってサービスが継続的に最適化され、資源の効率的な利用と環境への影響を最小限に抑えるスマート技術が組み込まれているのが特徴だ。
サウジアラビアにとって、全長105マイル(1兆ポンド)のフラッグシップ・プロジェクトが1.5マイルに縮小されたことは屈辱的なだけでなく、汚れた秘密が隠されている。その建設は、地元部族の強制移住、移民労働者の搾取と死の疑惑など、人権上の懸念に直面している。
10月27日、ITVXはドキュメンタリー番組『Kingdom Uncovered』を放映した。 独裁色を強めるサウジアラビアの実態を調査するため、女性ジャーナリストが潜入取材したドキュメンタリーである。
このドキュメンタリーによると、2016年以降、2万1000人以上の労働者が死亡し、さらに多くの労働者が劣悪な労働環境、搾取、人権侵害に苦しんでいるという。その統計は驚異的で、ネパールの労働者だけでも650人以上の原因不明の死亡が報告されている。
このドキュメンタリーは、NEOMにおける労働条件の残酷な現実を暴露している。サウジアラビアの法律の週60時間制限を超える16時間労働、適切な休息なしに働かされ、精神的疲労や肉体的苦痛を強いられる労働者、食事や睡眠不足による事故や病気、「囚われの奴隷 」や 「乞食 」のように扱われる移民労働者などである。
また、何カ月も賃金を受け取らない労働者がいるなどの未払いや、労働者が法外な治療費を払わされる医療へのアクセスの欠如など、移民労働者の組織的搾取も浮き彫りにしている。
ITVXのドキュメンタリーを報じた『ミドルイースト・アイ』は、英国を拠点とする人権団体フェアスクエアのディレクター、ニコラス・マクギーハンの言葉を引用し、ザ・ラインの労働者の労働時間は 「国際的な最低基準が許容する範囲をはるかに超えている 」と述べた。
「現実には、サウジアラビア全土の労働者が深く虐待的で危険な搾取を受けている。虐待はサウジアラビア全土で組織的に行われている」とマクギーハンは語った。
ITVXにアクセスするには郵便番号の登録が必要で、英国に住んでいなければそのドキュメンタリーを見ることはできないかもしれない。しかし、9月にDeCodeは『ザ・ライン』の最新情報を伝える以下のルポルタージュを発表した。この報告書では、地元部族の強制移住に関する人権侵害について、殺傷力の行使や、オンライン上でプロジェクトに抵抗したり批判したりした者の逮捕について論じている。また、強制移住が明るみに出た後、一部の出資者が撤退したプロジェクトの資金調達や、ザ・ラインの進捗状況、あるいは進捗の欠如についても触れている。
THE LINE | NEOM Latest Construction Update - 2024
https://www.youtube.com/watch?v=8pCmf8RBd08