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生きた人間の皮膚細胞から笑顔のロボットの顔が作られる


ジェームズ・ウッドフォード 2024年6月25日



生きた人間の細胞から作られた皮膚をロボットの骨格に取り付ける技術により、ロボットに感情やコミュニケーション能力を与える可能性がある。


生きた人間の皮膚から作られた微笑みの顔が、いつの日かヒューマノイド・ロボットに取り付けられ、機械がより生命に近い形で感情を表したり、コミュニケーションをとったりできるようになるかもしれない、と研究者たちは言う。その皺は化粧品産業にも役立つだろう。


この生体組織は、コラーゲン・スキャフォールドの中で培養されたヒト皮膚細胞のミックスで、3Dプリントされた樹脂ベースの上に置かれている。これまでの同様の実験とは異なり、この皮膚には、人間や他の動物では皮膚の下の組織層に埋もれている靭帯に相当するものも含まれており、皮膚を固定し、驚異的な強度と柔軟性を与えている。



Smiling robot face is made from living human skin cells
https://www.youtube.com/watch?v=Arh-fkTMkn0


ハーバード大学の河合道雄教授らは、これらの靭帯に相当するものを「穿孔型アンカー」と呼んでいる。これは、ロボットの樹脂ベースを穿孔し、小さなV字型の空洞を生体組織で満たすことによって作られたからである。これにより、ロボットの皮膚は所定の位置に固定される。


研究チームは、この皮膚を幅数センチの微笑むロボットの顔に装着した。また、同じような大きさの人間の頭の形をした3D形状(下図参照)にも取り付けたが、こちらは動かすことができなかった。


「AI技術の発展などによってロボットに求められる役割が拡大するにつれ、ロボットの皮膚に求められる機能も変化し始めています」と河合氏は言う。



この研究は、化粧品業界にとっても驚くべき利益をもたらす可能性がある。ある実験で、研究者たちは小さなロボットの顔に1ヵ月間微笑ませたところ、皮膚に表情ジワができるのを再現できることがわかった、と河合教授は言う。


「手のひらサイズの実験用チップでシワの形成を再現できれば、シワの形成を予防、遅延、改善することを目的とした新しい化粧品やスキンケア製品のテストにも同時に利用できます」と、東京大学在学中にこの研究を行った河合氏は言う。


もちろん、皮膚はまだ本物の皮膚の機能や耐久性に欠けていると河合氏は言う。


「感知機能がなく、栄養分や水分を供給する血管もないため、空気中で長く生存することはできません。これらの問題に対処するために、神経機構と灌流路を皮膚組織に組み込むことが現在の課題です」。